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シトリンが誘(いざな)う洞察の旅2〜他の介入による潜在的な美の開花〜

前回からの続きです。

一般に流通しているシトリンの多くがアメジストを人工的に加熱処理したものである、と書きました。それを知って「何だ天然のシトリンじゃないのか」とがっかりする人も少なくありません。以前は私もそのひとりでした。

ところが、加熱処理したシトリンであっても、パワーストーンとしての効果や宝石的価値(宝石質シトリンの場合)は、天然シトリンと同等とみなされています。実際、宝石業界では、天然石の外観をより美しく見せ、石の耐久性を高めるという目的で、人的手段によって石に何らかの物理的・化学的変化を起こさせることは当然のこととして行われています。但し、その処理にも大きく二通りあり、あくまで’その石が本来もっている性質を生かしながら潜在的な美を引き出す処理’と、もう一つは’石の本来の性質とは関係なく自然界では起こりえないことを施す処理’があり、前者を「エンハンスメント」、後者を「トリートメント」と呼ぶのだそうです。ルビー、サファイア、ブルートパーズ、エメラルドなどよく聞く代表的な宝石では、まずこのエンハンスメントは行われていることが暗黙のルールとなっており、そのことをあえて説明表示されることがないのが現状です(逆にエンハンスメント処理がされていない場合は希少であえてそれを表示しますし、価格も桁違いに高価になります。)逆に、トリートメント処理がされたものは、紛い物扱いされるものもあるほど(全てではありませんが)、一般に天然の石より価値が下がると言われています。

さて、前置きが長くなりましたが、加熱処理シトリンは完全にエンハンスメントのシトリンということになります。確かに、前回の記事で説明したとおり、アメジストもシトリンも同じ成分を含んだ同じ化学構造を持つのであるから、自然界で全てのアメジストはシトリンになり得るという潜在的な可能性がある、ということになりますね。

「この石がもう少し、あともう少しこんな風ならもっと美しくなれるのに」

という、人間という’他者’によって、その石の中に眠る、または燻っている’美の可能性’を引き出されるのも、それもありなのではないかと思うのです。

「いや天然のありのままが一番良いに決まってる!」

というのもご最もですが、実際、天然のシトリンのほんのり色が付いているかいないかわからないのを見て、頭でよほどその希少性の価値を知っているなら別ですが、多くの場合、まず目を奪われるほどは惹かれないのが現実でしょう。

このことはまた同時に、「ありのままの自分が一番」なんて言いながらも、そんな自分をまるごと受け入れているだろうか、という疑問を投げかけます。

そしてそして、そもそもなのですが、「ありのままの自分ってどんなだろう」と、自分自身が一番分かっていなかったりするものです。

人生の中で、他者の方が客観的に自分の内なる魅力や可能性を見つけ出してくれたり、それを伸ばしてくれたりすることが多々あります。もちろん、それは文字通りそうしてくれる人達もいますが、逆にとことん自分を追い込んでくる手厳しいやり方でそれを促してくれる人達もいます。

どちらにしても、自分以外の他者がいて、その人達との関わり合いを通じて初めて得られる経験です。このことがこの世界に自分以外の人間がいること、人生の中で人と出会うことの意味のひとつなのかもしれません。

そして最後に、他者によって見出された潜在的な素質を自分の中でしっかり掴み取った時に、本当の自分らしさが開花し始めるのだと思うのです。