先月に太陽が蠍座入りしてから、前回の蠍座・新月、蠍座での水星の逆行、蠍座のルーラーである火星と冥王星のスクエアというように、これでもかというぐらい強烈な蠍座のエネルギーの中にいるのを感じます。
それは明らかに、私達の意識の大きな変容を促すエネルギーではあるのですが、そのプロセスは一見するとポジティブなものには思えないかもしれません。それは変容のメタファーである蝶になるために蛹が自らの古い細胞を溶かすという、至極の恐れと痛みを伴う’生きながらの死’を覚悟した再生への移行であるからです。
そんな蠍座の内的エネルギーが集中するこの時期に、豊かな調和も感じられるような牡牛座で満月(11月12日22:34)を迎えました。
この度もこの満月が象徴していることについて、占星術、ヌメロロジー、タロットなどを使った個人的な解釈で読み解いてみたいと思います。
牡牛座の満月ではありますが、太陽が位置する蠍座のエネルギーを意識的に扱っていくことが、感情のドラマの中に自分を同化させないためのポイントでもあるようです。
この満月に至るまでに既に蠍座のエネルギーによって、手加減なく徹底的に自分の中の隠された最大の恐れ、痛み、欲望と対面させられている人も多いかもしれません。そして、それらを今まで通りエゴ(自我)からくる感情的なやり方で対処しようとしても上手くいかなくなっているのではないでしょうか。
そのぐらい私達の内なる宇宙は、今、本気で蛹から蝶になることを促しているのだと思います。
これは恐れと痛みによる苦しみを体験するのが目的で起きているのでありません。寧ろそれらを作り出した自分自身から解放するためのチャンスなのだと思うのです。
得体が知れないから人は恐れます。しかし、自分の中にある最大の恐れを見据えた者に何の恐れがあるのでしょう。
前回の記事でも書きましたが、今回も他者との関係性の意識のシフトへの布石になりそうです。
蠍座のエネルギーを高い次元で扱うと、魂レベルにおいて自己を融かして他者と一体化しようとします。
しかしこれを行うには、<私>という自己が自分の外に「他者」を見ているという、三次元物質世界に肉体としての自己のアイデンティティを置いている人間特有の視点を反転させる必要があると思うのです。
それは、他者を自分にとっての社会的価値観で捉えた対象として見る限り、エゴ(自我)により作られた<私>という幻想の中で生き続けることになるからです。というのも、’<他者>存在の認識は、そこに<私>が存在しているという意識’が成り立たせており、その幻想の<私>と表裏一体で作られたのが、今、私達が見ている<他者>だからです。
この幻想のヴェールを身破る意識的な気づきがもたらされるかもしれません。そのヴェールの向こうで、私達は初めて本当の「私」に出会うのかもしれません。
今回の満月前日である11月11日もまた、数秘的にも占星学的にも意識的なシフトを示唆する特別な日であったようです。
まず、この日は「11−11ポータル」と呼ばれ、「11」のエネルギーコードが私達の新たな意識の次元に繋げる接続ポイントであったようです。
「11」のエネルギーコードとは何なのでしょうか?
そもそも「11」とは不思議な数で、まず、’創造の始まり、独自性、男性原理’の「1」が柱のように均衡を保って2つ並んでいるように見えます。さらに、数秘的には「11」は同時に’二元性、受容、女性原理’の「2」にもなります。
しかし、「11」と「2」は次元が異なる数字であると思います。
「11」は、それまでの「1〜10」までのプロセスが完了した次元を含んだ次の次元の「10+1」だと思うのです。タロトでは「11」は「正義」のカードになります。
このカードは、やはり一つ前の「10:運命の輪」で次元上昇(前次元が終了し次次元へ移行)を果たした後の状態を表しており、ここで「自分の真実を生きるために自分自身で決断をする」というステージに入るのです。
これはこれまでの社会などの誰かが決めた客観的価値観ではなく、「自分は本当はどう在りたいのか」という自分にとっての真実と向き合い、自分で責任と覚悟をもって生き方を決める、ということなのだと思うのです。
つまり、それは常識と呼ばれる誰もが当たり前に信じてきたことでさえも「本当にそうだろうか?」と問い、能動的に思考することなのだと思います。
これについてはさらに占星術的観点においても、11月11日に起きた水星が太陽面を通過するという特別な天体イベントからも同じメッセージを受け取っているように感じました。
<私>という自我の中心である太陽の上を、「言葉、情報、思考」を表す水星が通り過ぎたということが意味することだと思うのです。
それはもしかしたら、例えば、社会的に信頼、実績、知名度のある誰かが発信した情報の’正しさや評価’という価値判断をおく姿勢自体を疑わなければいけないのかもしれません。
誰かの言葉や情報、考え方、知識はそれを発した人にとっての真実であり、その人にとっての正しさに過ぎない、ということだと思うのです。(もちろん、このブログの記事も然りです。)
つまり、いつも自分の真実にとって正しいかどうかを自分で判断していくしかないということなんだと思います。
そうしなければ、情報そのものに振り回されると思うのです。そして、いつも情報を探し求めることになります。
しかし、情報はあなたを幸せにはしません。情報を求めるのは、欠乏感と恐れでいっぱいのエゴがやることです。
この11−11ポータルのテーマの鍵は、今、水星が逆行中の蠍座のエネルギーである「自分の感情を使って隠れている部分さえも見通す力」なのかもしれません。
あなたは広大な世界の中にいる70億人の1なんていうちっぽけな存在ではない。
この牡牛座の満月から、インスピレーション、直感、夢を通して、人間の集合意識レベルで作られた観念の枠の外に出ていくような感覚を得るようになるのかもしれません。
ここから個々の開かれた独自性が創造性を拡大して、全体として調和する社会への意識的変革が11−11ポータルの流れも手伝い、サポートされているように感じます。
またこの時期、自分の存在証明と信じている自分の人生という過去の記憶認識がミステリアスな方法で書き変わり、あなたが固く信じていた過去の自分が別のバージョンになっているなんていう、不思議なことが起こるかもしれません。
では最後に・・・。牡牛座・満月ですから、肉体をもった人間としての自分も楽しみたいですね♪五感を使って自分の体が喜ぶことや自分の体のメンテナンスをするのに最適なタイミングです。
*ご興味のある方はこちらもどうぞ。
★この満月の分析に活用したもの★
(ホロスコープ)
(数秘&タロット)