【双子座・満月】射手の放つ理念の弓をつくるもの

1年間どっぷり浸かっていた蠍座のエネルギーからすっかり抜けて、22日には太陽が射手座入りし、いよいよ射手座らしい雰囲気に包まれそうです。
射手座のエネルギーを既にガンガンと感じ始めている人にとって、

  • 何か今までと違う新しいことを始めたい
  • 自分の視野が広がるような、今までにはない人達と出会いたい
  • 外国など行ったことがない場所へ行きたい
  • 今までは無理かなと半分諦めていたことをとにかくやってみようかな

という気持ちになり、実際にその計画を始めたり、もう行動を起こしているのかもしれません。
もしくは、気持ちはあるけど、実際に何をしたいのかがまだはっきり分からないという状態の人ももいるかもしれません。

そんな流れの中、私自身も、そしてこのクレアルーチェのコンセプトなど、これからの方向性の風を感じとっているところです。

当サイトの新月や満月に関する記事のスタイルがこのところ変化しているのにお気付きでしょうか。

ムーンサイクルやアストロロジーのことに限らず、いろんな情報を皆さんとシェアさせて頂く中で、当サロンで関連講座を学んで頂いたりして専門的な知識をお持ちの読者の皆さんと、読みものとして楽しんでくださっている読者の皆さんとが両方楽しめるようなスタイルを只今、模索しておりますので、当分、スタイルが安定しないかと思いますがご了承ください。

さて木星が自分のホームである射手座に入った「ジュピター・イヤー」が始まって最初の満月を11月23日14:39に双子座で満月を迎えます。

◆今回の満月のポイント◆

  • 月が双子座0度52分、太陽が射手座0度52分で起こる(日本では8ハウス)
    • 双子座1度の月のサビアン・シンボル「静かな水に浮くガラス底のボート」
    • 射手座1度の太陽のサビアン・シンボル「共和主義キャンプファイヤーの威厳ある軍隊」
  • 太陽と木星が射手座でコンジャンクション(0度)、月と木星もオポジション(180度)
  • 16日に魚座に移行したばかりの火星が、この満月とTスクエア
  • 牡羊座を逆行中の天王星と天秤座の金星がオポジション、またこの2天体とノード軸とでグランドクロスができている
  • 17日に逆行したばかりの水星が、太陽・木星と共に射手座にいる
  • 26日に魚座・海王星の半年ぶりの逆行が終了

ここからは、上記の満月を迎えるあたっての私が感じることを書いてみたいと思います(長いです^^;)。

知識が先か、知恵が先か?

双子座のもつ’知識への欲求’と射手座のもつ’真理への探求’。

これは「知性」の異なる次元である双子座の月と射手座の太陽で織りなすこの満月のひとつのテーマのように思います。

今回の双子座の満月ですので、双子座の「純粋な知的好奇心、知識、学習、記憶力、思考、コミュニケーション、会話」など軽やかでフレッシュな知性が刺激されそうなのですが、ここを最大限に活かすためには双子座と真反対にある射手座の「高度な専門知識、知恵、理念、理想、真理の探求、コンフォートゾーンから外へ出る」といったことにも目を向ける必要があります(特に満月は月と太陽がオポジションになるため)。

自分の中の、知識(双子座)が知恵(射手座)をつくっているのか、知恵(射手座)が知識(双子座)を選んでいるのか?

これはアインシュタインの残した言葉のひとつ、

’唯一の本当に価値あるものは直観である’ 

に通じるものがあるのではないでしょうか。

これを文字通りに単純に受け取ってしまうと、’直観さえあれば、知性を高める知識は必要ではない’、と思うかもしれませんが、それが直観であるということが理解できるのは知性やそれを支える知識であると思うのです。全人類の意識レベルを高める偉大なる知識の貢献をしたアインシュタインだからこその言葉だと感じます。

この双子座の満月で、もてる知識がどこまで知恵に昇華させうるのか、そしてもてる知恵がどのレベルの知識を引き寄せられるのか、を問いてくるのかもしれません。

・・・そして、どんな知識や知恵をもつのかの決定因子が私達が「何を選択するか」にかかるのだと思うのですが、果たしてその選択は私達の自由意志でもってなされているのでしょうか?

 

自由意志で選んでいるという思い込み

私達はこれまでに本当に自由意志をもって「選択」したことがあるのでしょうか。

’脳は意識より先に次の行動の選択をしている。意識は脳が決断したことに従っているだけ。これがほぼ自動反応で進む。’

解剖学者の養老孟司氏が語っていた言葉です。

私達は本当は一度たりとも自由意志をもった選択などしたことがないのではないでしょうか。

’このまま会社をクビになって失業したいのか?それが嫌なら今まで通り規則に従ってに働け!’

これはどこかで聞いたことのあるセリフですが(例えば映画「マトリックス」のシーンにもありました)、よく考えてみたらこれは、ダブル・バインド(二重拘束)だということに気付けるでしょうか?

どっちを選んでもエゴ(自我)の世界に閉じ込めておくためのエゴお得意のトラップだということを。

そして、日々の物事、いやいや物心ついたときからずっと私達はこのダブル・バインドの世界の中で人生を送っていることに気付かされるのです。

  • 勝つか、負けるか
  • 止めるか、続けるか
  • 攻撃するか、守るか
  • 保つのか、壊すのか
  • 与えるか、受け取るか
  • 自由か、セキュリティーか
  • 善か、悪か
  • 正しいか、間違っているか
  • 光か、闇か
  • 仕事か、家庭か  ・・・・等など

これらはどちらを選んだって、この後、その状態の中で囚われ続けることには違いありません。そして、どちらかを過剰に支持したり、断固として拒否する在り方も同じことです。

しかし、よく考えれば勝つも負けるもなく、’戦わない’という選択肢があることがわかります。

すると二項対立はの矛盾や対立関係にある物事の概念を理解するための論理的手法として’普通に’用いられていますが、二項対立の組み合わせる事柄そのものが巧妙であること、そして何より二項対立という概念自体がダブル・バインドじゃないかと疑われるわけです。

・・・そしてそれは、’私達は自由意志で選択していると思い込まされている’という囚われの中にいることに気付かされるのです。

ただ事実として私達の人生は、そんな自由意志を持たされていると思い込みの中での選択でできています。

もっと言えば、私達の思考がどんな選択をするか、ということなのですが。

 

感情も思考もほぼ自動反応な人間

’思考は習慣をつくり、習慣は性格をつくり、性格は人生をつくる’

この繰り返しが今の自分の人生を作っている。

ところが、人生をつくるはずの肝心な自分の思考はどこからきているのでしょうか?

私達は常に、本当に多くのことやモノに、人に影響されています。しかもそれらにほぼ自動反応している状態です。これは別の言葉で思考停止状態、洗脳状態というのでしょう。

私達はいつしか、最もらしい誰かが用意した選択肢から体裁の良い回答を選んで、あたかも自分の考えのように答えてしまっていないでしょうか。自分で感じることを抑制したり、考えることすら面倒になったり。

そして、これを繰り返すうちに自分でもどこまでが本当の自分の考えなのかさえもはや分からなくなっていないでしょうか。

この世の中には、それはそれは刺激的で有益そうな情報やもので溢れかえっています。ビジネスのマーケティングはまさにこの部分を使って、人の欲望と思考停止状態を利用して、本当に必要かどうかも分からないまま物やサービスを買わせていますね。

そこで、自由意志があるという思い込みと(誰かに誘導された)停止した思考で「自分で選んでいる」と思っている物事すべてに手当たり次第関わろうとすると、自分の魂が本当にやるべき大事なことをするための機会を失ってしまいます。人生は時間に限りがあるのです。

最もエゴは私達にこのことに気付かせないために、五感を過剰に刺激し、常に忙しくさせて本質から目をそらすために気を散らしますけどね。

前述した養老孟司氏の言葉には続きがあります。
’人間の脳は自動反応で作動し始めるが、ただし意識はそれを「止める」ことができる’と。

  • なぜ、私はそれを選択しているのか?
  • なぜ、私はそれをする(必要がある)のか?
  • なぜ、私はそう考えるのか?

自分自身に「Why(なぜ)?」と常に問うこと。
自分で感じ、思考すること。

これが、意識が脳の自動反応を止めることができる、自分が人間であることの証だと思うのです。

世界中で大ヒットした映画「ブレードランナー」の原作であるフィリップ・K・ ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の中で、未来の人型AI(アンドロイド)は見かけ上、本物の人間と見分けがつかないほど精巧にできているだけでなく、記憶データが埋め込まれたAI自身も自分が人間であることを疑っていない姿で描かれています。

人間とAIの違いはどこにあるのでしょう。

間違っても「人間対AI」なんていうエゴの二項対立の罠にハマることはないにしろ、人間という存在の最後のフロンティアとは何かを問われているのかもしれません。

AIはテクノロジーの進化の側面だけでなく、自分で感じ、思考することを放棄した人間の意識が作り出す、早かれ遅かれ作られるべくして作られた必然的産物だとも言えるのかもしれません。

近い将来、AIが用意した無機質な模範回答から自分の感情や思考でさえも選ぶなんてことにだけはならないように・・・。

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