【蟹座・月蝕(満月)】構造の壁が宇宙の海に洗い流される

こんにちは。年明け最初の記事のアップとなりました。少し遅くなりましたが、今年もどうぞよろしくお願い致します。

既にいろんなところで2020年が激動の年となる可能性について言及されていますが、アストロロジーの見解からみても、今のところそう言わざるを得ないように思えます。だからと言って、むやみに不安になることは何の役にも立ちません。

それより、自分が「本当は何に対して’不安’という感情や思考の選択をしているのか?」という理由を突き止める方が、前に進んでいくための突破口になり得て建設的であるだけでなく、今までは認識できていなかった新しい視点を得るチャンスになると思うのです。(新しい視点を得ることは、より能動的意識の選択肢が増えるということです。)

さて、多くの人が’激動’や’変化’と聞いて不安になるのは、これまで自分が固く信じて何とか保ててきた’安心・安全’の保証が揺らがされ先が見えなくなるからではないでしょうか?

この2020年、この部分は向き合うのを避けられないテーマのひとつとなりそうです。

他にも今年は激動の年と言われるだけあって、いろんな局面においての過度期であり、きっと後から振り返った時に2020年が人類史上級の大変換の流れのはじまりの年だったと思うのかもしれません。

年末年始に開催した勉強会でもお話しさせて頂いたのですが、少なくともアストロロジー的な解釈でみた天体の動きは、天の采配であると信じざるを得ないほど完璧にこの2020年に向けて、とてつもない長い月日をかけて準備してきたことを明確に示しています(長くなるのでここでは詳細は割愛しますけどね)。

さあ、その今年の大変換の流れの第一弾として、1月11日に蟹座で部分月食(満月)が起こりました。

自分のアイデンティティー(存在の在り処)が自分の外の世界、つまりは社会的概念を基盤とした現実の中にあるという信念に強烈にフォーカスが当たりそうです。

これは社会的構造やシステムの中でひとりひとりの人間が何かの役割をもって存在している「他者によって見られている自分」が創りあげた世界観のことです。

こんなことは当たり前すぎて考えたこともなかったというのが、’普通の(いわゆる正常な)’人間意識だと思います。

が、ここにこれからスポットライトが当たるのが大変、興味深いですし、個人的にこの年の始まりに相応しいとさえ感じます。

当たり前過ぎて考えも感じもしなかった部分こそが私達の無意識の領域であり、ここが意識的に扱えないがために通常、過去の人間的体験(その多くが幼少期)の記憶のパターンを自動反応して生きてきました。

この部分が顕在化していくことが、人間の意識の覚醒や次元上昇と呼ばれているものだと思うのですが、特にその中でも今回のテーマを現行の天体配置もふまえたアストロロジー的解釈でみると、

今まで現実として疑わなかった世界(の見え方)が実は幻想であったと意識レベルで気付く

ということだと思うのです。

これは頭で分かった気がするとか、口で言うほど、実際に受け入れるのに簡単なことではないと思います。というのも、もう一度繰り返しますが、「社会的概念を基盤とした役割や価値の中に自己のアイデンティティーを置くことが現実世界」という意識状態こそが「人間」だからです。

アストロロジーで言えば、これは土星が創り上げた世界です。こうやって、地球上で肉体をもった人間として物質的世界を体験できるわけで、このため土星は時空間のキーパー(神様)であり、地上の人間の最後のフロンティアと言われました。そして、その土星が創り上げた世界で多くの人間がより良く生きていくための秩序やルール、システム、構造が長い歴史の中で創り上げられたというわけです。

普段、こんなことを実感できない人でも、不意に

「あなたは誰ですか?」

と尋ねられれば、当たり前に自分の名前を言い、さらには年齢、出身地に家族構成、学歴、職業や肩書、場合によっては国籍、信仰している宗教、後はお決まりの趣味や特技、取得資格などを述べることで自分のアイデンティティーを証明しているつもりになっていませんか?

また自分が家庭や社会で取り組んでいる役割や責任そのものこそが自分そのものであると思っていたり。

しかしこれが、どっぷり土星世界に浸っている証拠とは誰も知りません。

土星の創り上げた世界が悪だとか間違っていると言っているのではありません。むしろ、人間意識の進化にとって必要な(敢えて用意された)プロセスなのだと思います。

ただ今、人間はここを越えていく真っ只中にあると思いますし、だからこそ人類史上レベルの過度期なのだと思うのです。

土星が創り上げた今までの人間意識の世界を、土星の外側にいるトランスサタニアンの天体達(天王星、海王星、冥王星)が壊しにかかっている状態です。

土星の物理的分厚い壁に天王星が外からヒビを入れることで宇宙意識に一致しない人間意識をひっくり返し、そのヒビ割れた先に海王星が現れることで本当の宇宙創造のエネルギーに触れ・・・そして、冥王星によって創造の源そのものを知る(思い出す)のかもしれません。

ちなみにこれらトランスサタニアンは私達の集合的無意識の領域にあたる天体ですから、人間がここの意識レベルに到達するのに自我の超越は避けて通れないでしょう。

つまりこれは、これが自分だと思っている、ここに自分が存在していると信じている自我の妄想から抜け出すことなのだと思います。

ところでアストロロジーは天文学ではありません。太陽系を私達の意識の霊的なシステムととらえ、各天体は霊的な性質、そして天体の軌道は霊的レベルを表していると考えます。

つまり、宇宙は、天体は物理的に私達の外に在るものはなく、自分の中にある霊性が外に現れたものとみるため、本当は天体のエネルギーによって私達の運命や地上の人間の状況が影響されるという視点は、占いとしては面白いですが、本当はどちら側に自分の本質があるのかの視点を見失い、いつまでも自我の中に閉じ込められた(運命に翻弄される)世界で生き続けることになりかねないと思うのです。

そういう意味で私自身も(ずっと考えていたのですが)アストロロジーを’情報として分析すること’そのものに固執することのないよう今後の記事の発信の仕方も柔軟にやっていきたいと思います。

さて最後に今回の蟹座・月蝕ですが、1月13日の土星−冥王星がピッタリ重なるイグザクト・コンジャンクションによる古い土星世界が根本から崩壊していくはじまりの時に向かう布石という感じです。

1月13日の山羊座での土星ー冥王星のexactコンジャンクション

 

また、この時期から特に徹底的に向き合うことになりそうな具体的なテーマのポイントとして、

  • 土星が創り上げた社会システムや構造の中での役割や価値観に実は自分が依存していることに気付く
  • 現実的に目の前で起こる崩壊や変化は集合的無意識の中での変化の表出だととらえてみる
  • ただし、この時期、起きる物事への対処は先延ばしせず、今、現実的に実際的に決断し取り組んで明確な形におさめる(結論・結果を出す)
  • この時期、魂の土星世界への違和感や抵抗の表れとして、人によっては言いようのない恐れ、孤独、感情的混乱を感じることがあるかもしれない

があげられそうです。

蟹座・満月ですから蟹座の月と山羊座の太陽が主役と言いたいのですが、全ての天体が協調してこの時期の人間意識の覚醒プロセスに完璧な形で関わっているとしか言いようがありません。

能動的に山羊座のエネルギーを活用するのはもちろんですが、それを扱うのに蟹座のエネルギーが必須です。特に蟹座のエネルギーを感情的ではなく高い次元で扱っていくことが重要だと思います。

そして、魚座の海王星。実は、ここが鍵なのかもしれません。

自我意識では能動的に扱えませんが、この時期、海王星の宇宙意識の海が、人間の固く信じてきた古いシステムや構造の境界線を人間の想像もできないようなやり方で一瞬にして溶かして洗い流していくような感じがします。

どうりで、今回のこの記事は満月に間に合うようにアップしようと思っていたのですが、この数日、抵抗できない睡魔と意識の底に落ちていくような深遠な眠りに襲われたのもこの海王星の仕業かな、なんて言い訳で締めくくりつつ・・・(笑)。

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