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【牡羊座・新月】覗き込んだ月の鏡が映し出すもの

今回、記事のアップが遅くなってしまいましたが、4月5日17:50に牡羊座で新月となりました。

3月21日の春分に自我の象徴である太陽の新たなサイクルが始まって最初の新月でした。また「新月×牡羊座」の組み合わせが、’爽やかで純粋な勢いのあるフレッシュなスタート’を感じさせる新月でありながら、新しく何かを始めようとした途端に現実的な基盤の部分でいきなり見直しをさせられるような感じもあるかもしれません。

この新たなスタートの流れにのって、ここでお伝えしている新月・満月の記事について、(少し前から考えていたのですが)これからは占星術の詳細情報を全面に出すのは控えようと思っています。

今まではある意図があったのであえて細かく書いてみたところもあったのですが、このサイトは占星術の専門サイトではないこと、占星術を潜在意識や魂の領域を認識するための思考と直観のツールのひとつとして扱っていること、そして、私達と星々との関係性に関する誤解を生まないようにしたい、という想いからです。(このスタンスを定めるのに少し時間を要したことも記事のアップが遅れたひとつの理由です。)

特に、私達と星々との関係性については、従来の占星術の情報の伝え方で、’その時期の星々やその配置自体が私達に影響を及ぼす’という表現が一般的には使われます。これが間違っているわけではないですし、実際、便利で伝えやすいのです。・・・が、この「星々の状態→人間への影響」という捉え方こそが、自分ではどうしようもできない自分の外側にある要因(星々)によって翻弄される’運命論’を形作ってしまう原因になりかねないと思うのです。

そして、こんな星の配置だから’〜をするとよい’ないし’〜にならないよう気をつけよう’といった、小手先で目の前の状況を上手く立ち回ろうとする姿勢はよりよく生きるための知恵としては大切だけど、そういう意識は、いつまでも私達を’自分は無限に広がる宇宙の中の、地球に住む70億人の1人に過ぎないちっぽけな存在’という制限された視点に閉じ込めるだけだと思うのです。

宇宙の芽生える存在よ、おまえは光の形姿の中で、

月の力の中で太陽に力づけられる。

火星の創造の響きがおまえに贈られ、

水星の手足の動きの振動がおまえに贈られる。

木星の輝く叡智がおまえを照らし、

金星の愛を担った美がおまえを照らす。

土星の太古の精神の内向性が、

空間存在と時間存在におまえを捧げる。

(ルドルフ・シュタイナー「エフィソフの密儀」)


私達の本質が本当はどこにあるのでしょうか?

私達の意識がある場所とは?

それは本当にあなたの肉体や脳の中にあるのでしょうか。

前の記事でも書きましたが、世界を見ていると思っているその視野の本体が自分の肉体の中にあると思いますか?

’星を読むというのなら、それを書いたのは誰か?’

これこそがその回答のための問いであり、占星術の真意であると思います。

何だ、質問ばっかりで答えがないじゃないか、と思われるかもしれません。しかし、’問い’こそが全ての始まりであり、私達を自分に関する真理へ到達させる偉大な導き手だと思うのです。

月は自分の目の前にあるものを反射する

ここからが今回の新月らしい内容です(いえいえ、ここまでの話もちゃんと関係しています)。

この新月は、牡羊座のエネルギーがピークに達した場所(15度)で月と太陽が抱き合っている。

地球から見ると、月は太陽の光を反射しているのが分かるが、本当は月は太陽の光だけを反射しているわけではない。シュタイナーによれば、’月は自分の外にあり自分の目の前にあるあらゆるものを映す宇宙の鏡’なのだそうだ。

宇宙の全てが自らの全てを開示する輝きを月に向けて発し、それを受け取った月は鏡としてその宇宙のイメージをあらゆる側に反射する。だから、私達人間が宇宙を見る時、実は2つの宇宙を見ているということになる。それは、自らを開示した宇宙と、月に反射された宇宙だ。

宇宙とは、自分の意識が見ている世界とも言い変えらる。
この世界で、月の鏡を覗いた時、そこに映し出されるのは果たして自分の姿なのだろうか。

この新月が起きた牡羊座は「自我意識(私)」を表す。月はその牡羊座の中にいるのだが、月の鏡は自身の目の前にいる天秤座「他者(あなた)」を映すのではないだろうか?(さらに日本の場合、この新月は「人間関係・パートナー」の7ハウスで起こったことにも留意したい。)

この世界で「私」という自我意識を強化するのも「他者」の存在だ。(→関連する前の記事

私が自分でこの世界を見ているという眼差し、つまり自分の本質を、もしかしたら他者の中に見つけるのかもしれない。ただし、月は私達の顕在意識ではなく潜在意識を表すので、「私」という自我意識は「他者」の潜在意識を通じて、本当の自己の意識の在り処を発見するということなのかもしれない。

「私」の全てが開示された輝きを月の鏡は「他者」の姿を映し出すというのだろうか。
本質的な自己を他者の潜在意識の中に見る。
もしかしたら、ここに「私はあなた。あなたは私。」の真意が隠されているのかもしれない。

「いずれ他者の秘密を知ることになるだろう」by シュタイナー

今回のテーマは、本来、「私」という強い自意識の中で生きている私達にとって、結構、居心地の悪い話であるかもしれません。それどころか、自分と他者の意識が交差することなど、はなから拒否する人もいるかもしれません。
しかしこれは、イエス・キリストやブッダ、東洋の神秘主義者、多くの覚者達も言っていることでもあります。

個人的には、それまでこういう概念を頭ではそうなのかもしれない、と思ってきましたが、心からの実感がわかないのが正直なところでした。しかし、ここ最近では最終的に(いつのことかは分かりませんか)何となく人類全体がこういう境地へ向かっていく(むかわざるを得ない)のではないかと感じるようになってきました。

さて、この自己(私)と他者(あなた)のテーマは4月19日に起こる今年2度めの天秤座満月まで深くフォーカスされるように感じます。
といっても、それは人間として生きる魂の壮大なチャレンジのひとつのようにも思えるので、この時期のこの深遠なテーマへの取り組みはその序章のようにも感じています。