【水瓶座・満月】いちなる全体の反転としての対極性
ここに至るまで意識レベルでも目の前の現実レベルでも、なかなかのドラマチックな変化・変容を体験して、そして、見かけ上は何も変わっていないように見えるのに確実に以前と自分のいる世界が違って感じるという人も多いかもしれません。
7月の蝕シーズン、8月1日と共に起きた獅子座の新月、そして、8月8日のライオンズゲートをという大きなターニングポイントとそのスタートの流れの後で迎えるのは8月15日21:30の水瓶座で満月です。
ここまでの流れですが、潜在意識の奥底にこのタイミングまで隠されていた魂の記憶に関わるようないくつかの小さなピースが、まるで深海で生まれた泡が水面へ浮上していくように顕在意識上にはっきりと認識できる状態になっているように思います。
もちろん意識上で認識できるものは、人それぞれに違うと思いますが、その認識度合いが今までにないほど明晰であることや、認識しているものをどのように取り扱っていくのかということについては皆に共通のテーマであるように思います。
この度もこの満月が象徴していることについて、占星術、ヌメロロジー、タロットなどを使った個人的な解釈で読み解いていきたいと思います。
◆新時代の創造モードが既に始まっている
これはおそらく私、個人の感覚的なものだけでなく、周りや社会を見渡してみても、古き悪しき構造システムや方法が日々、衰退していき、その代わりに今までにない新しいユニークなスタイルや在り方へパチリと切り替わっていくのを、結構はっきり感じるのですが、皆さんはどうですか。
そしてこの新しい風潮は(今のところ)「軽やかで速い、流動的で拡散、独自性がありながら全体として調和している」感じがしています。もっと言うと、現実化する速度が本当に速まっていて(どうりで時間が過ぎるのが速く感じるわけです)、現実化したものは一気に世界に広がり、その形も他者との関わりで常に調和的に変化をしていくので、これまでの一度、構築したものをそのまま長い間、維持するという在り方は機能しなくなるでしょうね。
そして、それに加え、前述したように今まで潜在化していて気付かなかったことが顕著に認識できるようになってきたということは、目覚めが起きて自分自身や世界のいろんなことに気付くようになり、従来の表面的・受動的な生き方から洞察して能動的な生き方へ大きく変わりつつあります。そして同時に、それは新しい時代の自分の現実の創造の仕方もシフトせざるを得ない流れにあるのだということもヒシヒシと感じています。
しかし、それは決して難しいことではなく(むしろ、今までよりずっと簡単!)、一度、分かってしまうとびっくりするほど楽で(!)、そしてかなり楽しいものになっていくのではないかと思います。
私がここ最近、自分でも実験をしながら確認をしている、’新時代の創造モード’を使いこなすポイントになりそうなことはこんなことじゃないかなと思ってます。
- 今の自分の状態や状況に関係なく、自分が望む感情や思考を’意識的に’選択する。
- 常に自分の感覚に意識を向け、不快感や違和感、嫌悪感があったら認識して手放す。
- 自分が、居心地良い状態になる感情、思考、行動の選択をする。
- 今の自分の状態に関係なく、自分の望む状態をイメージして、あとは忘れる。
これをやる中でまず、つまづきやすそうなことが、従来、美徳とされていたような社会通念や価値観をそのまま引きずらないようにすることなのではないでしょうか。
例えば、「我慢する、頑張る、無理をする、自己犠牲、根性、忍耐、自分よりも他者を優先する利他主義」あたりでしょうか。こういうのが大好きな超マゾな人は新時代も引き続きこれらを美徳として己に叩き込んだら良いと思うのですが(笑)、辛いことやしんどいこと、無闇に厳しいことは嫌な人は、’私はもうこういうものを選択しない!’と自分自身に宣言した方が良いと思うんです。
誰が何と言おうと、「きついものはきついし、しんどいものはしんどい。辛いし、悲しいし、虚しい。」と感じるなら、その自分の感覚を素直に受け入れ認めてあげることは、自分を大事にすることであると思うのです。
自分はさほど何もしていないと感じる罪悪感や、取り柄や才能がないと感じる劣等感、物質的にも人間関係にも恵まれていないと感じる欠乏感があるから「だから、私は他人よりもっと頑張らなければいけない」という信念も全て、自分でそのように感じる選択をしてきたからその現実を創ってきただけに過ぎず、真実ではない、ということをみんながだんだん理解していくような転換期にあるのだと感じてます。
今までは無意識的で囚われた中で自分の現実を創ってきたことに気付いて、これからは本当の意味で自分こその自分の人生の創造主であるという在り方になっていくのだと思います。
今、苦しいと感じている人は、自分の中に自分を苦しくさせている感情や思考のブロックがあることに気付いて手放していける素晴らしいチャンスの時だと思います。
苦しみは、私達に手放すものをがあることを気付かせてくれるために存在しているのです。
◆女性性の欲求に優しく手を差し伸べる男性性
今までの男性性の社会が作った唯物的で社会的理想主義が押し付ける価値観の中で、たしかに物質的豊かさや安定した社会構造・システムの構築という恩恵を受けた時代もありましたが、ひたすら自由競争や煽られた消費生活の成れの果てに、近代科学も、グローバル化した資本主義経済も、地球環境においても絶望的な行き詰まりの中、鬱積した不満や悲観的虚無感で自制を失った個人や国家が暴力を行使する現状があります。
しかし、本当は現実で起きている(と思わされている)ことは少し前の私達の意識がフォーカスしたものの過去の反映でしかないので、それそのものを何とかしようともがくのは意味がありません。それはまるで鏡に映った自分の顔についた汚れを取ろうと鏡を磨こうとするのと同じなのです。
さて、その視点で見る現状の鏡ではなく’顔(本質的な原因)’とは、私達みんなの集合意識の中でもエゴ的理性である低次の男性性が、(人類史上、結構長い間)エゴの理想とするものに向かって「〜するべき」と理性で女性性を否定し抑圧してきたことだとも言われています。
女性性も低次のままでは、エゴ的な本能に基づいた欠乏感を埋めるための「〜したい」という物質的・生理的な低次元の欲求に振り回されるだけですが、高次の女性性とは魂の欲求に基づいて’存在している自分そのものを全肯定し価値を見出す在り方’だと思うのです。
それは、切り離された際立つ個(男性性)を生み出し、存在せしめる見えないバックグラウンドとしての全体性(女性性)のような関係性でもあります。
男性性と女性性、本当はどちらも互いを存在させるために必要であり、さらにこの2つの性質の統合によって永続する創造の循環が起きます。これは私達人間も含め、森羅万象を創造しているとされる四大元素が男性性(火・風)と女性性(水・地)から成ることからも説明がつきます。
さてさて、前置きが長くなってしまいましたが、先日8月8日のライオンズ・ゲートと呼ばれる地球が宇宙の星と特別なラインで繋がるとされるこの日、占星学的観点から見ても特別な天体配置が見られました。
それは自我の核である太陽が火星(男性性)と金星(女性性)に挟まれ、また各四大元素のエネルギーが最高潮に活性化されたことから、男性性と女性性共に次元が上がり、統合のための調和的なプロセスが起きたようなのです。
それは女性性が目覚めて、魂が実現しようとする創造の欲求を男性性が受け入れ、サポートするという、私達の中の内的ジェンダー(性)の結婚(統合)への大きな前進になったのではないかと感じています。
特に、「自分が喜びや調和、美しさや楽しいと感じることや愛されること(金星・女性性)」を、それを「まるごと愛して、自分らしく外の世界に積極的に表現して実現していくこと(火星・男性性)」という流れが、また前述の新時代の創造モードを加速させているようにも感じます。
◆対極するものの本質の認識と統合へのステップ
さて、この男性性と女性性のように現時点では対極性や二元性として捉えているものの本質(正体)とは何なのでしょうか?
対極や二元に分かれたそれぞれの要素だけを見ていても、それは結局、善と悪、光と影、男と女、プラスとマイナスといったどちらかに囚われるだけだと思うのです。
古くは古代より古今東西で哲学、宗教、思想の中でも言及されていますが、それらは結局はいちなる無限の全体のねじれた表と裏のグラデーションでしかないのでしょう。
無であり全てであるもの(宇宙、創造の源、私達の根源)が何かを体験しようと思ったら、その対極にあるものの存在と対立が必要になるからです。
例えば「上」という状態を存在させるには、必ず「下」という状態を作らないと成立しません。
こういう視点から、毎回、満月とはホロスコープ上で、太陽(魂、自我の中心、顕在意識、男性性)と月(魂的繋がり、感受性、潜在意識、女性性)が、真っ向から対立する配置になるというのはとても興味深いですね。
太陽と月の対極するそれぞれの要素は、満月というひとつの象意の中に内包される相反する2つの性質であり、またそれが満月という存在を成立させているわけです。
なので、満月とは私達の中にある12サインの性質の対極する性質(二元性)をどのように統合していくか、という課題を毎回、もたらします。
今回の水瓶座の満月では、自分の中にある魂の情熱を創造性を通して表現していこうとする個の喜び(獅子座の太陽)が外側へ輝きを放ち、それに触れた他者(社会)に伝播し、皆が共有する理想や夢の実現に向けて各々の独自性を発揮しながら全体の調和と循環が巻き起こるような感じでしょうか。
そういう意味でもこの満月は、前回8月1日の獅子座・新月で投げかけた’自己表現と創造性’のボールが明確なビジョンをもって返ってきているのかもしれません。
・・・そして、あなたが内側にある情熱を外に向かって表現する時、それを受け取ってくれる誰かがいるからこそ、その自己表現が成立し、創造性が発揮できるということにも気付かされるのです。
それは与える自分も、受け取る他者も(またその逆も)、本質的には一なる全てに内包された対極性に過ぎないということなのだと思うのです。
この満月の日、奇しくも台風が日本列島を縦断するという予報が出ています。どうぞ、皆さんが安全で穏やかな満月が過ごせますよう願っております。
*ご興味のある方はさらにこちらもどうぞ。
★この満月の分析に活用したもの★
(ホロスコープ)
- 月♒22°(11ハウス)と太陽♌22°(5ハウス):オポジション(満月)
- ♌太陽と金星:コンジャンクション
- 海王星と♑月&冥王星:セクスタイル
- ♒月と♋太陽:トライン
- ♐木星と海王星:スクエア
- MCに近い♉天王星と♌水星&火星:スクエア
- 水星、木星、土星、海王星、冥王星が逆行中
(数秘&タロット)
- 2019年8月15日→8(力)
- ♒月&♌太陽22度の満月→4(皇帝)