【射手座・満月】「わたし」は夢見たものになる

形而上学で月はわたしたちの無意識の世界を表すと考えるのですが、その無限領域から内的に立ち上がってくる意識への働きかけを日常的に活用することは自分の人生を創造的に生きる上でとても役に立ちます。

基本、満月というタイミングは、小さなサイクルで捉えれば直近の新月から始まった物事が約2週間経過して見えてくる最初の結果が現れる時です。

大きなサイクルで見れば、約半年前の同じサイン(12星座)で起きた新月からスタートしたことの成果や達成など明確に手応えを感じる結果が現れるタイミングです。

しかし、ただ目の前の物事を偶発的な展開として受動的に捉えている限り、この月のもつサイクルを上手く活用することはできません。

もちろん、占星術などこういった知識も大いに役立つでしょうが、一番大事なのは‘自分の内的な世界で何を感じとっているのか’、ということに意識を向けることです。

自分が内的に感じとっていることこそが、その人にとっての真実の世界だからです。

私たちはそこを信じきれないからいつも人生に葛藤が続くのです。

この後、占星学的観点での一般向けのキャッチーな言い回しでいう「風の時代」というものに本格的に突入するわけですが、「風=言葉、概念、情報、策略」という点においても、これまでの「土」の時代のような物理的・社会的な確固たる構造基盤が失われ、自分の軸足をどこに置くのか、その都度、「風」の流れを読みながら、自分で判断して適応していくことが求められることが予想されます。

「風」はタロットの象徴では「ソード(剣)」で表される、「自分の信念・正義」を意味する男性性的な厳しい性質をもちます。

でもそれは、風がどこまでも遠くに、高く、自由に動き、制限なく移動できることが表しているように、過去の鎖りに縛られた現状の外に全く新しい未知の可能性を感じている精神がその可能性を信じてここから飛び出していくことを決意することであり、そして、その覚悟をもって進む険しい道にチャレンジするプロセスそのものが、「自分という本質がフリー・スピリット(自由の精神)そのものであること」を思い出す内的な旅でもあるのです。

さて、今回の射手座・満月ですが、前回の牡牛座・新月からの流れからの最初の結果であり、そしてこの満月から約2週間のスパンで意識を向けるためのキーワードをあげてみましたのでヒントとして活用して頂けたらと思います。

射手座・満月(2024年5月23日22:53)

この満月の注目ポイント

控えめに言っても、強烈なインパクトのある満月であることが感じられます。前代未聞、価値観の大転換、未知の可能性の恩恵といったキーワードが出てきます。

  • 魂の欲望そのもの、命の根源から流入してくるエネルギーを表す冥王星と、それを人間という器で受け取る場所を表すアセンダントが重なる。
  • 私たちの意識の基盤であり、地上の基盤を表すICに天王星が重なる。心や地がひっくり返る、物質的価値観が抜本的に刷新される。
  • ここから人智を超えた「豊かさというものの本質」を認識する可能性が展開されていく。

自分の人生をかけて追求したいビジョン

究極には、「自分の命をかけて私はこのために生きたい!」と思える情熱、ワクワク、ビジョン、思想、信念をもつこと。これが唯一無二のあなた独自の世界観を創造するための人生を営む上での、エンジンになり、未だかつて誰も歩いたことがない真っ暗な道の足元を照らす灯火になる。

このビジョンは自分自身が「これが自分にとっての真理である」と知っていれば良いことであり、誰かに証明したり、承認してもらう必要はない。

あなたは今は自分だけがそれが真実であることを知っているパイオニア。誰も歩いたことがない道を歩いているのだがら、時に迷い、不安になるのは当然のこと。

そして、静寂な孤独の中に自分の精神をおく必要がある。これは試練ではなく、むしろあなたに深い平安と癒しをもたらすだろう。

しかし、どんなことがあっても自分の信じたこの灯火という光を絶対に手放してはいけない。それは’あなたの命そのもの’なのだから。

抽象的かつ柔軟性が「風を読む」ためのカギ

ここからこれまでの古い価値観、特に物質意識をベースとした固着した構造(システム)に依存し続けることは、生きることそのものを益々、困難にしていくのは誰の目にも明らか。

これを障害ととるか、今までの自分では知り得なかったより良いものになっていくためのチャンスととるかは自分次第。

これをチャンスとして掴みとっていくためのカギは、自分の中の物事のとらえ方を変えること

私たちは誰一人、ニュートラルに物事を捉えていない。いつもそこに自分の過去の記憶からの紐付けや天性の性質(感受性)の偏りと針穴よりも小さな穴を一つの方向から見て、自動反応で自分や世界をこういうものだと思いこ込んでいるに過ぎない。

実は、今、目の前の自分の世界の捉え方は無限のバリエーションがある。捉え方によって、見える世界、体験することが変わる。

もし今の自分の世界観を変えたいなら、捉え方を変えること。例えばある状況において「苦しい」と感じるなら、自分のある捉え方が自動的に(無意識的に)「苦しい」という感情に紐付けられているということになる。

「なぜ、わたしはこれに対して苦しいと感じているのか?」

この捉え方を具体的なことからどんどん抽象度を上げていくと、意識が拡大し多角的な視点をもつことで、それはもはや問題ですらなくなる。

こういった視点は抽象概念を扱うことによって得られる。

まずは上述したように自分自身の中の情熱や信念をもって、人間の経験意識をその外側からメタ認識するような哲学や思想を直観的知性で扱う形而上学的な視座が必要になる。

自分を超えていくためのドア

これが自分だと思い込んでいる自我の壁の外には、自分が想像したこともない自分の可能性が無限に広がっている。

それを頭で理解する必要はない。ただそれを感じ、予感してみたら良い。

するとある時、今までの自分の外に出るためのドアがそこにあるのを感じる時が必ずやってくる(それは今がまさにその時かもしれないが)。

そしたら、迷わずそのドアを開けてほしい。

頼りになるのはあなたの直感。そして、必要なのはあなたの勇気だけ。

そのドアの向こうには何があるのか?

・・・それは、本当のあなたの未来。

それを目撃してしまったら、あなたはもう後戻りできないはず。それが本来の自分が帰還する真実の世界だということを思い出したのだから。