【魚座・新月】無意識の世界樹に完全に委ねる

 

個人レベルで自我意識の核を表わす’太陽’の魚座シーズンも後半に入りました。その太陽にとっては約1年前の春分から始まった12サイン(星座)を巡る意識の旅が最後の魚座のサインであり、今回の旅の体験で得たものを<わたし>という個から一なる全ての集合的無意識の中へ手放し、融かしてその全てに共有されるプロセスの中にあります。

何のために?

それは、次の太陽の新たな旅を始める前の準備をしているのです。

つまり、’新たな始まりのための完了(終わり)のプロセス’です。

私達個々の太陽が体験した過去を一度、手放し、個人の体験を超えたもの(=たくさんの他者の太陽が体験したもの)が融合された、’未知の自分’の太陽の旅が始まるのです。

その太陽の次の新たな旅が始まるのは約1週間後にやってくる3月20日の春分です。だから、春分は占星学では新しいサイクルの始まりの日とみなし、世間では宇宙元旦と呼ばれていたりします。

そして、その春分直前に迎えるのが、今回3月13日19:22に魚座で起こる新月です。

この流れを理解していると、何となくこの魚座・新月の基本的なテーマが見えてくるのではないでしょうか。

・・・・実は、旅の最後のプロセスなだけあってかなり壮大なテーマです。そして、当然ながらこのテーマを体験している現在の私達の体感、感情、思考、体の状態にもリンクしてしてきます。

今回もこの魚座・新月について、占星術、数秘術、タロット、私の体感やインスピレーションから受けたことをまとめてみたいと思います。

魚座・新月(2021年3月13日19:22)

【数秘&タロット】2021年3月13日→「12(吊るされた男)/ 3(女帝)」

【Keys】
未知の始まりのための終わりを始める
新月は、宇宙サイクルを構成するフラクタルな小さなサイクルの’始まり’だ。それは、短いスパンの目標や目的へ向けてのスタートのタイミング。

しかし、この魚座・新月は新たな太陽の宇宙サイクルを始めるための、今回の旅の終わりの最中にある始まりだ。

それは、ここまで長年やってきたことであっても、この先には持ち越せないと感じているものを手放し、終わらせることを’始める(決断する)’ということ。

自己の帰還〜本来の自分を取り戻す
本当は自分らしくないと分かっているのに無理に頑張って、努力して耐えてきたことを一度、ここで立ち止まってみる。

そして、「本当は自分は何をしたかったのか」「自分は何が好きなのか」、じっくりと自分の本心に立ち返ることで、失っていた自分らしさを再び取り戻すチャンスになる。

本来の自分を取り戻すだけで、自分の中からエネルギー(強さ)が漲ってくるのを感じるだろう。

自分自身の意志で動こうとしない
以前は上手くいったことでも、今、どれほど頭で考えても、分からないし、解決できないことがあれば、自分の意志で何とかしようとしないというのが大事なのかもしれない。

今、私達はこれまでの価値観や認識では定義できない未知の新しい流れの中にあり、<わたし>という制限された自我意識が理解できる過去の集積データやパターンでは適応できないからだ。

しかし、それはネガティブなことでも後退を意味するものではなく、むしろ、新たな意識の拡大という進化への移行の兆しなのだから、今は古いやり方に固執せず、そのプロセスそのものを楽しんでみる方がスムーズにいく気がする。

じゃあ、自分の能動的意志で何とかしようとしないというなら、どうすればよいのかについてはこの次に続く。

無意識に委ねて、運命を完全に受け入れる
「なぜ、自分の頭で考えても答え(解決策)が見つからないのか?」「なぜ、今までのように自分の力で何とかならないのか?」

それは、これまでの肉体的・精神的な自分という存在の維持、人生の中で巻き起こるあらゆる状況の中での自分の選択や決断と行動の全てが<わたし>という自我意識が能動的に成したものであるという思い込み(幻想)があるからだ。

ここにきて、<わたし>の能動的意志によってなされたと思っている自分に関する全てが、実は、自分の意識的な認識を超えた無意識の側によって導かれてきたものだということに気づく。

自分の人生の主役は<わたし>だと思っていたが、能動的意志をもつ主役は無意識(世界)の側だったのだ。

これに気がつくことは、<わたし>の意志ではどうにもならない運命を完全に受け入れるということでもある。

そして、そうすることが本当の意味で自分の精神を自由にする。

自分の体感する世界を信頼する
無意識に委ね、運命を受け入れると、あらゆることの中に神秘(人智を超えた完全な自然の法則)が内在していることを観るようになる。

だから、自分の体感する世界をただ信頼すれば良いのだと思う。日々の日常という現実世界の中に確かに在る豊かさや美しさを五感を通して「感じる」という体験を味わう。

特にこの魚座・新月では、自分の感性、体感、感情をゆったりたっぷりと癒やし、満たすことが大事だ。またそうすることが同時に、私達の無意識の領域に自分の意識を繋ぐ助けにもなる。

肉体をもったひとりの個である<わたし>の人生の営みは、無意識と意識の共同創造なのだから。

                           ◆ ◆ ◆

その他、この魚座シーズンは、自分の感性を満たすようなアーティスティックなものに触れたり、自分の体のケア(体が喜ぶことをする)がとても大事になりそうです。

魚座シーズンはどちらにしてもあまり頭が働かないので、いっそのことこのままずっと心地良いまどろみの中に体も心も溶けてしまいたいと思う魚座・新月なのです。