新しい太陽の誕生と生まれ変わった日常へ

’あらゆる意識は法則に従って現象化する。
ゆえにそうと意識していない者であっても
全員が創造主の技を行使している。

この法則を正しく理解し使いこなす者は、
人生のマスターとなる。’
(ヘルメス・トリスメギストス)

12月22日、2022年の冬至を迎えた。
冬至は日照時間が一年で最も短くなる時だ。
それは陰が極まる時であり、
そして「太陽の死」を意味する。
この時、世界は暗闇の深部に沈む。

太陽はそれまでの自らを終わらせなければいけない。
新たな自分の命を芽吹かせるために。
「死」は「誕生」の母なのだ。
「破壊」が「創造」の母であるように。

しかし、状態というのはプロセスの一瞬を表現したに過ぎない。
形は、瞬間、瞬間の’動き’としてしか具現化できないからだ。

太陽は形而上学的に
全ての生きとし生けるものの生命の脈動そのものであり、
それはまた精神(スピリット)を表す。

私たちという太陽は、夜の暗闇の中で一度、死ぬ。
そして、新しく生まれ変わった太陽として朝が起こる。
火、日、陽、秘、霊 ー 全て太陽を表す言葉だ。

1日というのは、私たちの太陽の新陳代謝のサイクルのことだ。
日が昇るのから朝が来るのではない。
夜に1日という体験を終わらせた太陽(霊)が、
新たな体験の可能性を熱望して自ら再び生まれ変わったのが朝であり
1日という世界の始まりだ。
これが太陽の秘、’神秘’なのだ。

私たちは普通、昨日からの延長としての’今日’があると思い、
大して変わり映えのしない過去の結果としての
連続する日常生活を生きていると思っている。

しかし、本当は毎日、私たちの内なる太陽は生まれ変わっている。
いや太陽の生まれ変わりこそが、毎日という事象の起因なのだ。

その中でも冬至は、太陽にとって特別な時だ。
夜と朝、死と生の明確な境界をまだもたない、
未知の全く新しい存在としての太陽が生まれるときだからだ。

それはまだ何者にもなっていない、
<わたし>が生まれる前の始原的な精神として、
ここから<わたし>を観察しようとしている。

もはや日常は全く別のものに生まれ変わる。

自分、世界、日常、人生、存在・・・。

それらをこれまで定義してきた前提や意味が機能しなくなる。

ここから、本当の未来がやってくる。
未来とは過去からの延長線上にある時間の流れにあるのではない。

2022年の冬至の太陽は、
これまで人間が繰り返し経験したパターンを超えたところに
生まれ変わりを遂げたのかもしれない。

そしてそれはもう始まっている。

実はそれは今までもそこに重なっていつも在ったのだ。
永遠として・・・。
あなたが今、この瞬間に目の前の世界に見出すものが、
あなたという太陽の表現そのものだ。