【蟹座・新月】宇宙が自我の壁を激しくノックする

 

こんにちは。
あらゆる面において今までにないエネルギーの波が怒涛の如く流れ込んできている中、何とか溺れず流れを掴むことに夢中になっていたら、今回予定をしていた記事のアップが遅れてしまいました。ですが、今年のまた重要な節目に感じられる蟹座・新月(7月10日)において、現時点でだからこそ明確になった気付きなど書いてみたいと思います。

なんと言っても、蟹座のサインは月にとってのホームです。またこの時期、6月21日の夏至から太陽も蟹座に入っており、地上の誰もの意識の中にある蟹座のエネルギーの型が活性される時でもあります。

この新月は、太陽と月が蟹座のサインでハグしている(コンジャンクション)状態です。なので、この時期、自分を心理的・実際的に突き動かしている意識の中の蟹座のエネルギーについて理解することはとても重要です。

そして、それに加えて他の天体の配置やそれらとの新月の関係性から、この時期の地上の集合的無意識の中で起きていることを認識することで、その反映として起きている現実世界の出来事を表面的ではなく、メタな視点で観ることができ、それを即、自分の意識へのフィードバックとして能動的に活用することできると思います。

実際、この新月のテーマは太陽と月の位置する蟹座18度のサビアンシンボルにも示唆されているように「象徴的価値をもって自己と世界の構造的関係を認識する視点」をもつことが強調されているように感じられます。

(いつものことですが、これより下記ではこの新月において個人的に直観したことを表面的な文章表現に囚われたくないので、ストーレートな文体で書いてます。)

蟹座・新月

◆蟹座の象徴的な意味〜蟹の甲羅とハサミが指し示すものとは?〜

蟹の甲羅は、私達各々が「これが<わたし>である」と自分で自分のことを顕在的に認識している自我領域の境界線、つまり’自我意識の壁’を指し示しているのだと思う。そして、ハサミはこの自我の壁によって隔たれた境界線より内側を’自己’、それより外側を’他者’と断ち切るものではないだろうか。

され、この自我の壁の中には、蟹座という水のエレメントが示す「心(感情・感性・記憶)」が保持されている。

そう、私達は「<わたし>が感じていること(感情や過去の記憶)」が、’これが自分である’と認識している一部をつくっているのだ。

だからある感情に囚われた状態を’これが自分である’と思いがちだ。

しかし、感情とは何か?

感情は、タイムレスな永遠の中にある魂が、この三次元の時間軸上に引き伸ばされた’あるリズム’である。

このリズムはひとつではなく、異なる時間感覚のリズムが含まれる。それを占星学的な解釈で言えば、各々の魂の中にある様々な意識の感受点を示す10の天体のもつリズムのことだろう。このように実は私達の中には、様々な異なる時間感覚のリズムが韻を踏んでいて、これらが一つのハーモニーとして共鳴し表現されたものが魂であるといえる。

ここで今回の蟹座のエネルギーの型が私達の意識の中でどう動くか、という点について。

私は、蟹座のエネルギーとは、自我の壁(これが<わたし>であるという自我の境界線)をどこまで大きく拡張していけるかのチャレンジをもたらしているのだと思う。

蟹座は前述した通り水のエレメントで女性性の性質であるのでそのエネルギーは内向的ではあるのだが、蟹の甲羅の中の感情の海は常に揺れ動いており、時に理性でコントロールできないほど、突然、波が荒立ち、潮が急激に満ちて大洪水を引き起こすこともある激しい活動宮の行動パターンをもつ(蟹座のエネルギーが強い方は実感できるのは?)。

そういう意味では、蟹座の甲羅は自分の中の感情の波に対して抑止力として働く防波堤ともいえるかもしれない。

ではなぜ、蟹座の甲羅の中の感情の水は揺れ動き、コントロールが効かないほど荒立つのか?

それは、水のもつ’全てはひとつに繋がっているという一体感’が引き起こしているのだと思う。

水道から出てくる水、飲水、排水、食器や体の汚れを洗い流す水、湿気(空気中の水)、生き物の呼吸の中の水、植物の蒸散、雨、雪、川、湖、海。水は一つの全体として繋がってた意識をもっており、一見、目の前のコップの中の水は物理的に全体から分離された状態に思えても、それは水にとっては’循環するプロセス’の一部。

このエレメントとしての水は、前述した通り、わたしたちの感情、感性、記憶を通して、魂(心)の領域をつくる。

つまり、私達は心(感情、感性、記憶)において、本来は個として分断されておらず、全てひとつのものとして繋がっているというのを知っている。

しかし敢えて、一なる全ては己を知りたいがための(自分を見つめる)他者の視点をつくるために’その部分である個’を概念的につくり、それが個々の人間(自我)として魂が体験していることなのだということでしょう。

その点において、蟹座の甲羅は、<わたし>という自我を成立させるために、本当は全てはひとつであることを知っている魂の心の領域を概念的に分断して、あたかも自分の中で渦巻いている感情が自分であるかのような錯覚に落ちいるように機能しているのではないだろうか。

だから、蟹座の甲羅の中の水(感情)は荒ぶっている。水(感情)は甲羅を打ち破り、その向こうにある一なる全てに再び戻ろうとしているから。

私達の意識の中の型として動く蟹座のエネルギーのチャレンジは、感情の水の脅威から守るために小さな古びた甲羅(自我の領域)を破壊して、どんどん拡張していくこと。そして、自己と他者の分離のための強固な甲羅ではなく、(象徴的意味での)全ての他者である世界という’いちなる全て’を包む込む透明な泡のようになっていくことなのではないかと感じる。

そうなっていくための鍵になるのが、今回の新月(11ハウス)を真正面から鋭く見つめる山羊座・冥王星(4ハウス)だろう。

蟹座の甲羅はある意味で閉じた自己を表しており、その中だけ人生の意味や目標、自分の使命を見出そうとすることへの限界を冥王星は激しく突きつけてきているように思う。つまり、「自我的な欲求を満たすこと=人生の目標」の行き詰まりを示す。

これは、この新月で形成されている、’牡牛座・天王星、水瓶座・土星、獅子座・金星&火星からなるTスクエア’からも追い打ちをかけるように強調されている。

私達個々の性格、性質、才能、感受性、感情や思考のパターンは何のためにあるのか?ということを宇宙が、特に冥王星の轟が、蟹座の甲羅の中の水を激しく揺さぶっている。

ひとりひとりの人生の意味や目的は、甲羅の中の水を統制すること(自我的欲望を力ずくで達成すること)ではなく、宇宙全体のダイナミズムの中にあるということを冥王星は伝えてきているように感じる。

それは私達の人生は「生まれて、生きて、死んで、終わり」なんていう閉じた線的時間の中にあるのではなく、私達の人間的経験のあらゆる全てが、宇宙的プロジェクトの創造的プロセスに組み込まれており、今、この瞬間も影響しているのだということ。

その視点でみると、自分の存在が持ち得ているあらゆること(性質、感情、思考、感受性、能力など何でも!)が宇宙全体にとって何一つ欠かすことのできない本質的価値であり、それを自分の中から発せられる魂の熱(情熱)でもって世界に表現(貢献)することを’使命’というのでしょう。

ここにおいて、蟹座の甲羅(自我の境界線)の刷新のプロセスを天体の霊的位相の成長と関連させるのであれば、自我の核である「太陽」は要になるだろう。つまり、甲羅(自我の境界線)が自分(わたし)と世界(他者、宇宙)との関係を理解し調和しているか、ということなのだと思う。